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技術説明

ソレノイドの技術説明です。知りたい用語をクリックしてください。

作動周期

ソレノイドの機械的出力は、コイルの励磁電流に比例しますが、コイルの温度上昇や磁気飽和により限界があります。作動周期が小さければ温度上昇も少なく、大きな励磁電流を流すことができるので大きな出力が得られます。
 作動周期は下式で表されます。

作動周期

最大ON時間

ソレノイドは、連続定格で使用したときコイルの発熱と周囲に発散する熱とが等しくなって飽和します。連続定格以上の電力で使用すると、コイルの飽和温度がそれを構成するコイルワイヤなどの絶縁物の耐熱温度を超え、焼損することがあります。これを避けるため、カタログに定められた短時間定格には時間制限を設けています。コイルが焼損せずに継続使用可能な時間が最大ON時間です。

アンペア・ターン (AT)

ソレノイドの機械的出力はアンペア・ターンに比例しますので、アンペア・ターンが大きい程出力は大きくなります。ただし、コイル温度上昇や磁気飽和の関係で、作動周期10% を超えるアンペア・ターンでの使用は一般的ではありません。

コイルの放熱

プッシュプルソレノイド、 ロータリーソレノイドのコイルデータは、周囲温度20℃で標準放熱板が付いた場合の通電条件を示しています。(小型プッシュプルソレノイド・チューブラソレノイド・オープンフレームソレノイド・自己保持型ソレノイドは標準放熱板に取り付けない場合のコイルデータになっています。)

一般的には取付板を放熱板として使用します。この取付板の放熱能力は、材質や周囲環境により変化しますので、標準放熱板使用時と条件が異なることになります。最終的には実機にて発熱量をご確認して頂く必要があります。

標準放熱板が付かない場合は、おおよその目安として、コイルデータ内の電圧の50%以下に制限することが必要です。詳しくは実験でご確認下さい。

安全率の考慮

ソレノイドのコイルは通電により発熱し、抵抗値上昇により電流が低下し、出力が減少します。温度上昇後の電流においても必要な出力を得るために安全率を考慮してコイル定格を決定します。

この値は使用条件によって大きく異なりますので、目安と考えてください。

コイルの温度上昇は、駆動電圧と通電率、ソレノイドの放熱条件によって決まります。

カタログに記載された使用条件の場合に1.5または1.3を使用しますが、通電率が高ければ温度上昇は大きめになりますので、安全率は大きくとります。電源電圧の変動が大きい場合には電圧が高いときをカタログの電圧と比較して判断します。コイルの放熱条件が標準放熱板と比較して同等なな放熱が望めない場合には安全率を大きくする必要があります。

温度とコイル抵抗の変化

このカタログに記載のコイルデータや特性データは、全て周囲温度20℃を基準としています。コイルに電圧が印加されるとコイル温度が上昇します。これによりコイル抵抗が増加しアンペア・ターンは減少します。 コイル温度とコイル抵抗及びアンペア・ターンとの関係は下表の通りです。

コイル温度 抵抗係数 アンペア・ターン比
-40 0.764 1.309
-20 0.843 1.186
0 0.921 1.086
20 1 1
40 1.079 0.927
60 1.157 0.864
80 1.236 0.809
100 1.314 0.761
120 1.393 0.718

この表のアンペア・ターン比を用いて温度変化後の出力を求めることもできます。各製品の”選定の仕方”の項をご参照下さい。なお、ソレノイドのコイル温度上昇を知りたい場合は、実際の使用状態で温度上昇前後のコイル抵抗と周囲温度を測定し、次の計算式で求めることができます。

t =  (R2-R1)  × (234.5 + t1) + t1 - t2
R1

t: 温度上昇(℃) t1: 初期の周囲温度(℃) t2: 最終の周囲温度(℃)
R1: 初期のコイル抵抗(Ω) R2: 最終のコイル抵抗(Ω)

応答時間

ソレノイドの応答時間は、電圧を印加してから所定のストロークに達するまでの時間をいいます。
このカタログに記載のデータは全てコイル温度20℃、無負荷のときの参考値を示しています。
応答時間は、コイルに流れる電流をオシロスコープ等で観測することによって知ることができます。
電流は図1に示されるようにコイルのインダクタンスの影響で徐々に上昇します。a点に達してアーマチュアまたはプランジャが動作を開始すると、磁極間のスキマが減少することでインダクタンスが変化します。このときに発生する逆起電力で電流の上昇率が変化します。変化量はソレノイドの大きさや取り付けられた負荷によって異なります。b点で作動は終了し、インダクタンスの変化が無くなるために電流は再び上昇し

電流 = 電圧
コイル抵抗

の値に定まります。

図1の0からb点迄が応答時間になります。
なお、負荷をつけた場合は、応答時間が長くなりますので実機でご確認下さい。

グラフ

接点保護

ソレノイドは高いインダクタンスを持った誘導負荷であるため、制御用の接点にはアークが発生し、接点が破壊されることがありますので、適切な接点保護を行って下さい。
抵抗値、 コンデンサの値はお客様の回路で確認の上定数をお決め下さい。

接点保護

保持回路

大きな出力が必要でありながらスペースに制約がある場合に、動作時のみに高い電圧を印加して起動し、その後コイルの発熱をおさえるため印加電圧を下げて使用する回路です。

ソレノイドが動作した後、コイルに直列抵抗を挿入し分圧させる方法や、ON時間をチョッピングし平均電圧を下げる方法等があります。  また、用途によっては、 ダブルコイル型と言う動作用と保持用の2つのコイルを持つものもあります。 これは、動作時に両コイルを通電し、保持時は保持コイルのみの通電で使用するものです。

吸引/保持切換え例

抵抗挿入法の例

ダブルコイル型の例

整流用ダイオード

ソレノイドの駆動源が交流の場合は直流に変換する整流体が必要になりますが、整流方式は全波整流を基本として設計して下さい。
また、整流体をお選びになるときはソレノイドの駆動電圧の3倍以上の尖頭逆電圧のものをご使用下さい。
新電元では、 ソレノイド駆動用のシリコン整流体も用意してありますので、下記の表中からご指定下さい。

ソレノイド電流 [ V (A)]
R
IDC
交流入力電圧 VAC
200V以下
1 D2SBA60
1~2 D3SBA60
2~3.5 D5SBA60
3.5~8 D10XB60

※ フィン付き(詳細は新電元半導体カタログをご参照下さい。)

作動周期とアンペア・ターン

作動周期とアンペア・ターンとの関係は次のようになっています。

作動周期 100% 50% 25% 10%
アンペア・ターン 1 √2 2 √10
電圧 1 √2 2 √10
電力 1 2 4 10
標準外作動周期と電圧の求め方

コイルデータにない作動周期でご使用になる場合の電圧は、下式で求めることができます。

標準外作動周期電圧を求める式

E1:作動周期100%の時の電圧 (VDc)
E2:作動周期α2の時の電圧 (VDc)
α1:100%の作動周期
α2:使用したい作動周期

コイルの電食

高温高湿の雰囲気でケースをアース接続して使用する場合、接続の方法によっては電食によりコイルが断線することがありますので次の点にご注意ください。

【1】 電源の(+)側をアースして下さい。

コイルの電蝕01

【2】 電源が(-)接地の場合には、電源の(+)側にスイッチを配置し、コイルは(-)側に接続して下さい。

コイルの電蝕02

【3】 電源の(-)側をアースし、 かつ(-)側にスイッチを入れることは避けて下さい。

コイルの電蝕03

単位の換算について (参考)
1N(ニュートン) = 0.102 (kgf) = 102 (gf)
1Kgf = 9.807 (N)
1N・m =10.197 (Kgf.cm)
1MPa =10.197 (kgf/ cm2)
1Kgf/cm2 = 0.098 (MPa)
オームの法則と電力 (参考)

オームの法則と電力

I:電流 (A) R:抵抗 (Ω) E:電圧 (V) P:電力 (W)

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