ソレノイドは 構造を簡単に できる 『ダイレクト駆動』
モータは連続回転しますので、作動範囲を大きく取れますが、ソレノイドはあまり大きな作動距離を得ることは
困難です。
ただしモータは直接発生できるトルクはあまり大きくないので、減速機と組み合わせて必要なトルクを得る方法
がとられています。
ソレノイドは作動距離は大きくありませんが、大きな力を発生しますので、負荷を直接駆動できます。
減速機が不要な分、構造が簡単にできます。
ソレノイドは 高速動作は得意 『速度』
モータは応用にあたり減速機が必要なことが多く、作動時間を速く、または応答性を上げるには限界がありま
す。
ソレノイドは直接負荷を駆動することが出来るので高速度が必要なところに応用が可能です。
打撃力など超高速運動、高応答が必要なところも得意です。
戻し方の違い 『往復動作』
ある範囲を往復動作するような場合、ソレノイドは負荷を取り付け、駆動用にスイッチを用意するだけですが、
モータの場合、作動端に位置の検出手段を用意して駆動電流を制御する必要があります。
ただし、ソレノイドの場合には復帰のためにバネを用意する必要がありますが、モータは逆転させて原点に戻す
ことが出来ます。
途中で止めると アブナイ?
DCモータは、作動中に拘束されると過電流が流れて焼損することがあります。
DCソレノイドは原理的にこのようなことは起こりません。ただし、ACソレノイドはDCモータと同じように作動
中に拘束すると焼損することがあります。
ソレノイドは 安全機構が 構成しやすい 『フェールセーフ』
高度な安全性が求められる用途においては、システムに支障が生じた際に安全側に戻したいという事がありま
す。
ソレノイドは復帰ばねを付ければ電源を遮断することで安全位置に戻ります。
モータの場合、減速機を使う必要があるので、復帰ばねによる復帰がかなり困難です。逆回転させるか、減速比
を落としてトルクの大きなものを用意する、またはクラッチ機構を設けるなど、フェールセーフのために特別な
機構が必要なことが少なくありません。