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応用速度について

作動速度の向上

動作の起点になる、作動初期に大きな推力を得られるほど速度が向上します。
ソレノイドは磁気ギャップの大きさに反比例して推力が低下しますから、できるだけ小さなストロークが望ましいことになりますが、実際にはそういうわけにはいかないケースも多いと思われます。

ソレノイドの発生する推力はコイルに流れる電流にほぼ比例します。
ソレノイドコイルは大きなインダクタンスを有するので、電流の立ち上がりが緩やかになります。推力の立ち上がりもこれに従うことになります。 定格電圧の低いコイルのほうがインダクタンスが小さくなるので、電源電圧より低い定格電圧のコイルを選択することで立ち上がりの改善が望めます。
ただし、コイルの温度が上昇してしまうので、直列に抵抗器を挿入して電流を抑えることになります。この方法を準定電流駆動といいます。この抵抗器の発熱が気になる場合には半導体スイッチを用いてPWMなどにより定電流制御すると損失を減らせる上、速度向上効果も大きくなります。

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復帰時間短縮

往復での総合時間を短縮する為には、往方向だけでなく、複方向の戻り時間も短縮しなければなりません。
ソレノイドは戻り方向に力を発生できないので、復帰ばねを用意することになりますが、この強さが戻り時間に影響します。バネ力を強くするほど戻り速度は早くなりますが、往方向には負担増になるのでバランスを見て決めることになります。

一般的にフライホイルダイオードを用いて逆起電力対策を行いますが、これに流れる電流が復帰の開始時間を遅らせることになります。フライホイルダイオードは復帰時に発生する電圧を1V以内に押さえ込みます。この大きさを調整することで戻り遅れを改善できます。具体的にはフライホイルダイオードに直列に抵抗器を挿入したり、定電圧ダイオードを挿入したりすることで実現できます。挿入した抵抗値が大きいほど、また定電圧ダイオードの電圧が高いほど、時間短縮効果は大きくなりますが、スイッチ素子の負担は大きくなります。この値も全体のバランスを見て決定する必要があります。

ソレノイドの作動終了端での推力は大きな値を示します。これはソレノイドの特徴の一つですが、これが復帰開始遅れの要因にもなっています。最終端での負荷保持力が確保できる範囲で、保持時のギャップを大きくすると復帰開始遅れを改善できます。動作方向での駆動推力、保持力とのバランスを見ながら決めます。

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